年始らしくボクシングネタ。

元日にちょっとだけ、“モーターシティ・コブラ”もしくは“マシンガンを持った哲学者”こと、トーマス“ヒットマン”ハーンズのことを書きましたが、なんと新年早々ハーンズ逮捕の報が入ってきました。


以下は、例によって日刊スポーツよりの引用です。
元5階級王者ハーンズ、家庭内暴力で逮捕
 80年代に世界5階級を制覇したトーマス・ハーンズ(47=米国)が家庭内暴力で逮捕されていたことが3日、明らかになった。1日夜、デトロイト市内の自宅で13歳の息子を殴り、けがをさせた。夫人の通報で警察が駆けつけ、逮捕したという。ミシガン州の法律では家庭内暴力でも逮捕される。ハーンズは80年に世界ボクシング協会(WBA)ウエルター級王座を獲得した後、5階級を制覇。昨年7月には、5年ぶりの復帰戦で勝利を挙げた。

・・・リング外では非常な紳士である、というのが専らの評判だったので、今回の逮捕は少々意外に思えました。
しかし、あのハーンズにキれられ、その末に殴られる際の恐怖はいかばかりだったろうか。もはや想像に余りあります。
現役時代(実は今も現役らしいのですが)のハーンズは、“ステアリング”と言って、試合前の「にらみつけ」時のオッカなさには定評がありました。
試合開始ゴング直前、レフェリーが両選手をリング中央に呼び寄せ、試合進行上の注意事項説明を(ほぼ形骸的に)行っているその際の「にらみつけ」です。
あれで大抵の選手はビビってしまい、この時点でもはや勝負あり、というケースが多かったようです。
あのホセ“ピピノ”クエバスもその“ステアリング”犠牲者の一人だったようで、世界ウェルター級でほぼ無敵、「絶対王者」だったにも関わらず、当時新進のハーンズには手も無くヒネられ、あえなく2RKO負けでした。
ハーンズは我が子をどんな殴り方したのだろうか。
エマニュエル・ステュワート直伝(?)のフリッカージャブか、チョッピング・ライトか。
当サイト管理人がこのフリッカージャブというものを初めてみたのが、ハーンズVSシュガー・レイ・レナード戦…正確には、テレビ東京でこの試合を中継する前にその前フリとして流していた、ハーンズVSランディ・シールズだったかパブロ・バエス戦でした。
内容はもう詳しく記憶しておりませんが、この手の煽りVTR独特の誇張編集だった事を割り引いても、いやはやトンでもないスピード&ハードパンチっぷりでした。
当サイト管理人は、このハーンズや、日本人選手だと大橋秀行、坂本孝雄、杉谷満といった、剛直なイメージのあるハードパンチャーが好きだったので、上記のVSレナード戦でも、どうかレナードを負かしてくれまいか、と念じつつ、正座してTVに向かったものです。
しかしながら、結果はハーンズの敗北。14Rにレナードのドトーの連打でTKOされるまではほぼ完封していた(と思う…!)だけに惜しい敗退でした。
このレナードVSハーンズ戦(第一戦)は、当時…’80年代を代表する「世紀の一戦」でした。
鳴り物入りでプロ入りし、R・デュランに不覚を取った一戦を除き連戦連勝、ハーンズ戦までに世界ウェルター級・世界J・ミドル級を既に征しているレナードと、ブルース・カリー、センサク・ムアンスリン、アンヘル・エスパダ、エディ・ガソ(日本の工藤政志と対戦・負けた選手でもある)といった元王者たちをことごとく
一蹴…ホントに軽々と一蹴し、無敵王者だったホセ・ピピノ・クエバスもほぼその流れで一蹴し戴冠、圧倒的な強さを見せ付けて上り詰めてきたハーンズとが相対したこの一戦は、掛け値なしの世紀の一戦、スーパーファイトでした。
・・・と、ここまで書いて気付きましたが、この試合については他にもモノスゴク沢山の方が書いておられるので、ここではもう書かない。
ひとつだけ・・・このスーパーファイトの8年後に、なんだか唐突に行われたレナードVSハーンズVol.2は、いろんな意味で非常にダメな試合でした。
そんなにまでしてアメリカボクシング界はレナードを「ヒーロー」にしたいのか?という感じで。
長くなりそうなので、続きは改めて。

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