芸術との乖離

離婚、引退します!酒井被告が泣きじゃくり宣言
http://www.sanspo.com/geino/news/091027/gnd1027022-n2.htm
いわゆる「ドラマ芸術」と呼ばれる範疇におきまして、その技法に「対位法(コントラクンプト)」というのがありましてね。
もともとはクラシック音楽の技法だそうなんですが、その概念を巧みにドラマ芸術の世界に持ち込み、こちらはこちらで大成した技法であります。
具体的にどんなとこで使われてたかと言いますと、例えば黒澤明作品で「野良犬」。
犯人の遊佐が、とうとう捕まる!という正にその場、近所の「深窓の令嬢」然とした少女が自宅で弾くピアノが聞こえてくる。
能天気なまでに明るく微笑ましい旋律の流れる中、殺人犯と若い刑事が、汗と泥と唾液とに塗れて格闘している、という・・・この2者の葛藤がこのBGMによってひときわ際立ったものになっております。
ドラマetcの範疇に留まらず、笑福亭鶴瓶氏は、師匠である6代目笑福亭松鶴の葬式の際、納棺時に故人の出囃子である「舟行き」が流れ、より一層悲しみが増した、と仰っておりますな。
「舟行き」は非常賑やかで勇ましいものであるので、それゆえ余計に参列者の涙を誘った、との由。