亀田大毅vs.坂田健史戦(2010年9月25日)

理由あってここ10日ほど一歩も事務所の外に出ていません。だから外が雨なのか寒いのか暑いのかも全くわかりませんでした。さっき久々に窓を開けたら車が
濡れてたのできっと雨だったんでしょうね@東京。何年か前もこういうことがありまして、その時は試しに起床時に万歩計をつけてみたのですが、就寝時にその
数値をみたら「30歩」。要するにトイレ行く時くらいしか歩いてないってわけですが、ここ数日もほぼそんな感じです。

そんな有様なので、トップアスリートのパフォーマンスに対してアレコレ言うのは憚れるのですが・・・なにしろ今日は亀田次男vs.坂田戦がありました。

試合そのものには直接関係無いのですが、なんかヘンな試合だったなぁ。

まず試合前の選手コール。カン違いでなければ、次男が先にコールされてましたよね。チャンプは通常後からなんじゃないかなぁ。

あと、レフェリー、手袋してなかったなぁ。素手でのレフェリングなんて20年ぶりくらいに観た気がします。確かレフェリーはクリストドルー。ベテランだし、そもそも、まさかつけるの忘れたなんてこともあるまいに。


さて試合ですが、・・・まず、これは事前予想の非常に難しいカードでしたね。

なにもなければ普通に坂田が勝つんだろうな、と思ったのですが、

1・坂田の劣化

・・・フライ級としてはやや「老齢」(30歳)ということと、歴戦のダメージ、特にデンカオセーン戦でのKO負けのそれがどうか。

2・亀田の成長

・・・なにしろ若い次男ですから、減量苦があるとはいえ、伸びしろがあるのは次男の方。

3・ファイトスタイル

・・・坂田の戦法は、ここ最近の、特にTBS中継の試合においては、あまりポイントにならない感じがある。

・・・というわけで、非常に難しい予想になった次第です。

で、フタを開けてみたら、上記の1~3が全てドンピシャだった、と。

試合そのものは中盤までほぼ坂田ペースでした。坂田得意の残酷極まりない「泥仕合」に持ち込んで、ズルズルと、アレよアレよという間に大差判定勝ち、となるかと思いました。

坂田の試合は、ハッキリ言って派手な面白味はまるっきり無いんですが、この泥仕合っぷり~思わず相手がイヤ倒れ、みたいなところにその味がありま
す。そういやレパード玉熊もこんな感じだった気がしますが、なにしろ実際、次男の右腹(レバー)~左アゴという、次男における対角線上への攻撃が奏功、中
盤まで、次男は大げさでなく「為すすべない」感じでした。

・・・しかし、両目のカットがあったとはいえ、終盤に差し掛かって先に消耗したのは坂田の方でしたね。終盤に失速する坂田なんて初めてみました。スタミナのカタマリみたいな選手だったのにな、と、一抹の寂しさを感じました。

また、明らかに打たれ弱くなってしまっていました。

通常、8回戦くらいまでいった選手は、一回でもダウン、ましてやKO負けなどすると、もう二度とそれ以前のパンチ耐久力レベルには戻れない、と言います。

ただでさえそれまでの試合も激戦ばかりで、その上ベテランの域に達してからのKO負け、これが、坂田の体にも大きな影響を残してしまっていたように思います。

TV実況ではしきりに次男をハードパンチャー扱いしてましたが、あそこまで言うほど次男は強打者ではありません。パンチ無いとは言わないけどね。で、そんな次男の一発で3Rだったか、ダウン寸前にまで陥ってしまうとは、かつての坂田からは想像出来ません。

次男も、内藤戦、デンカオセーン戦などと比べると、随分パンチにバリエーションも出てきたようです。

世界戦以外であんな噛ませ犬としか対戦してない割には、試合運びにも成長が観られました。

また、この試合に際して次男は1週間で9kg減量したとか・・・それがホントかどうかはともかく、なにしろあの体格ですから決して減量がラクだっ
たわけでは無いでしょう。それでもフィジカル面で劣るところはありませんでした。これはやはり若さと、もちろん日々の鍛錬の賜物ですね。

あと・・・これが一番デカいんですが、上記「3」の通り、坂田のスタイルは思いのほかポイントになってないな、と。

小差で坂田の負けかな、と思いましたが、まさかこれほどの大差になるとは思いませんでした。

見方を変えれば坂田の判定勝ちという結果も有りえた試合です。それが最大8ポイント差とは・・・ちょっと意外でした。中盤まで坂田は、実に坂田ら
しい戦い方をしていましたので、これで8ポイントも付けられたんじゃ勝ちようが無いよな、と思いました。思わざるを得ない、というね。

あと、ついでですが、次男は・・・というか長男も含め、バッティングはやっぱし良くないなぁ。

坂田の頭のくる位置に、事前に自分の頭を持っていくという、ああいうダーティ・タクティクスはどうかと思う。これで上手なサミングなんか覚えたらリッパなイベンダー・ホリフィールドの出来上がりです。

さて、次男は恐らく今日の試合を最後にベルト返上、上の階級へ進出し、2階級制覇を目指すことになるのでしょう。

あまり言われませんが、対内藤、デンカオセーン、そして今回の坂田戦でも、やや体負けしてるような感じもありました。その辺、S・フライに上がってどうなるか。

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