映画案内サイトの素人レビューについて。

あそこがダメ、ここがつまらん、展開が遅いとか早いとか、長文に渡ってさんざんクサしておいて、最後に

「というわけで開始40分で観るのをやめました」

って、全部観てないのかよ!と思わず突っ込んでしまうわけですが、考えたら映画案内サイトのレビュー欄というのは、あくまでも個人的な感想を勝手に書いてOKという趣旨で設けられたものであるので、なんでもアリ、うたってる通りになんだって勝手に書いてOK、なのですよね。

オレも例えばジョン・フォードの「三人の名付親」観て、ああ、ジョン・ウエイン以外の2人も最後まで生きててほしかったなぁかわいそうに、みたいなことを感じたりしたものです。
2人が死んじゃうからこその名作なのは承知の上で、またこういう風に鑑賞者に感じてもらうことこそが恐らくは性悪者側の狙いなんだろうと思うので、それはそれで個人的感想としては全くアリでしょう。

要はまぁ書き方の問題で、2人が死んじゃうから「駄作」だ、という具合に、オノレの分も弁えず「上から」書くところが問題、問題、問題、大問題なわけですね。

「大脱走」⇒出てくるのが男ばかりでムサ苦しくてダメ

とか、

「タワーリング・インフェルノ」⇒上映開始から40分経たないと火事が発生しないのでその間がつまんない

とか、

「ベン・ハー」⇒長すぎて観る気がしない

とか、

「燃えよドラゴン」⇒ブルース・リーが強すぎてリアリティが感じられない

とかいう「レビュー」にはアゼンボーゼンとさせられますが、考えたらオレも昔「大脱走」観たあとに焼き肉など食いつつ、

“しかし男ばっかしでムサ苦しい映画だよなぁ考えたら(笑)”

みたいな会話をしたかもしれません。

彼らは書き方がやたら「上から」なだけで、単純に且つ素朴にそう感じたに過ぎないのですきっと。かつての焼肉屋でのオレと同じく。

そういうわけで、この手のレビューには寛容であろうと心に決めての今日なのですが、先日フォードの「駅馬車」を観まして、あぁこりゃもうまごうかたなき映画史上に残る傑作だ、といたく感動し、同時に、これはもしかしたら…と思い当たる節もあり、で、先ほど心して件の類の「レビュー」を覗いてみましたら、やっぱりありました。

「米大陸先住民の表現が差別的」云々。

オチはありません。