「街は生き物」という話。

この1か月で8本の映像編集と1編のPPT制作を行い、完成後は1週間ほど事実上泊まり込みでもって広義の生中継での撮影を担当しておりました。ということでほぼ1か月ぶりのFBログインですが、なにも変わって無くてこれはこれでビックリです。
でもって、下記はそんなFBと違って、エラく「変わった」お話しになります。
 
木更津の駅前某所での泊まり込みだったのですが、まず木更津駅周辺の寂れっぷりに大げさでなく驚愕しました。一応JRの基幹駅なはずの木更津駅ですが、
リッパな駅ビルがあるもののテナントは10%くらいしか入ってないし、駅前アーケード通りには殆ど開いてる店が有りません。いやホントにどこも開いてな
い。灯りのついてるのが銀行の無人出張所が1軒と、サラ金の無人コーナー1軒だけだった気がします。要するに絵にかいたようなゴーストタウンでしたマジ
で。
15年くらい前にもこの地での撮影案件がありまして、あの時も”なんかサビシげな町だなぁ”と思いましたが、このあたり、もはや歯止めのきかない衰退の流れ、なのでしょう。
 
ただ、駅前はそんな感じですが、木更津全体としては隣接する君津なんかと比すればまだマシな由。確かにこの地にはうすらデカいナンヤラアウトレットパーク
だかモールが出来て、そこは大いに賑わっておる由。また街道沿いには大型店舗が続々集結し、まぁそこそこ盛り上がってるとのことです。
当地のクライアント様に聞いた話なので、まぁそうなんでしょう。
要するに、街の「中心地」が移った、ということなんですね。
潰れっぱなしなわけじゃなく「移った」んであるなら無問題か、というとそんなことは無く、駅周辺に賑わいが無いってことは他地域との人口交流が乏しいってことに他なら無いわけで、やっぱしあまりよろしくない感じが有ります。
 
中心地の移動ってことですぐ思いつくのは、沖縄は北部の、名護、ですね。
オレが初めて訪沖した94年頃の観光ガイドブックには、名護=ピンプンガジュマルの木から連なる随一の賑やかな商店街が魅力的!なんてな記述があります
が、もはやこの辺りもかなりゴーストタウン化しておりまして、昨年夏に訪沖した折には、なにしろ人通りがまるっきり無かった。サンエー・名護十字路店に入
ればそこそこ人影があるのですが、まぁジィサンバァサンばかりで、94年ごろにひしめいていた層はどこ行っちゃったんだろう、と。
 


どこ行っちゃったんだろうかと書きましたが答えは簡単で、みんな58号線沿いのサンエーだとかイオンに行っちゃったんですね。詳細は省きますが、かの地は
木更津以上に見事に、というか、中心地がコロッとイッキに入れ替わりました。半年くらいで替わっちゃったんじゃなかろうか。
かくして昨今のガイドブックには、地方都市的な大型店舗の賑わいと、古い住宅群による沖縄らしい町並みが共存、などという、咀嚼して読み解けば要するに都市計画が安直な街、という意味でしかない悲しい記述が専らな由です。
 
街というものは生き物であって、古今東西折々に姿を変えるのが常ですが、なにしろ上記した2か所はあまり良い「生かされ方」をしていない気がします。
どちらも元々なんも無かった状態だったところ、放っておいたら勝手に盛り上がって賑やかになった街です。そこには「神の手」的な、ゆるやかな必然性があっ
たわけですが、なんとかアウトレットや国道沿いのサンエーetcでの「賑わい」は人工的な剛腕の技に拠るものでしかないので、都市計画上の肝要事項である
はずの「根付き」が現状無いのですね。
実際名護なんかは大型店舗の相次ぐ進出を当て込んで、単身者用から大家族向けまで様々な新築マンションが雨後のタケノコのようにニョキニョキ生え伸びた時
期がありましたが、半分以上空き部屋な由。内地の不動産屋の口車に乗った地主さんの多くがが嘆いてるそうですよ。っていうか名護の知り合いのおっちゃんお
ばちゃんは大いに嘆いておりました。
 
ということでオチはありません。

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