食材。

昭和の御代と比べるとスーパーの品揃えは格段に良くなったように思います。かつて明太子やキムチは半ば珍味の範疇だったし、キウイなどは「南国の希少果物」だったと思う。

ゴーヤーなんかが普通に買えるようになったのはここ10年くらいなんじゃないですか。初めての訪沖は94年の2月でしたが、オレはそこで地元のスーパーに行くまでこの野菜の存在を知りませんでした。今じゃ一年中買えますけども。ちなみに「ゴーヤ」表記をよく見ますが、正確には「ゴーヤー」、ゴーヤチャンプルは「ゴーヤーチャンプルー」が正しい。

なにしろ事程左様に、購入可能な食材はグンと増えました。豊富な選択肢の、その恩恵を受けて我々は日々暮らしておるわけですが、中には見かけなくなったものも多いですね。

最たるものはナマコ。海鼠ですね。

なにを隠そうオレはナマコファン、海鼠愛好家なのですが、ここんとこトンと見かけません。昔はちょっと大きめのスーパーならどこでもあの雑巾を丸めたような塊りの個体を見かけたものです。

なんでナマコが払底してるのか。ありゃ思うに購入してから食えるようにするまでの過程がやたらメンドくさい&時間がかかるからですね。ハラワタを取り除いて水だか塩水だかで晒して、その後ヌルヌルの個体を押さえつけつつブツ切りにして、ポン酢と大根おろしの中に沈めて、そこでようやく可食、と。

スパゲティでもカレーでも麻婆豆腐でも、ただ湯煎したりするだけでなんでもすぐ美味しくいただける昨今、この多工程と多所要時間っぷりは受け入れられないんですね思うに。

あとこの冬、フト思ったのですが、ミカンだとかポンカンだとかは良く見かけるのですが、晩春、初夏になっても夏みかんって見かけなくなったと思いませんか。

なにを隠そうオレは夏みかんファン、夏みかん愛好家なのですが、ここ数年トンと見かけません。皮が固くて剥きにくいから、とかですかね。口の中に入れるまでの工程における困難さ具合が他の柑橘類に比べてキツめだから、という。

さらにここ数年感じるのは、カリフラワーって見かけなくなったよなぁ。ブロッコリーに駆逐された形でしょうか。

なにを隠そうオレはカリフラワーファン、カリフラワー愛好家なのですが、いやマジで滅多に見かけません。ブロッコリーもカリフラワーも胃の腑に落ちるまでのフローに大差は無いとおもうんですが、JA的な都合なんかもあるんですかね。知らんけど。

文脈上、「まとめ」としては斯様な品揃えの移り変わりを郷愁とともに受け止めたりするところですが、実を言うとナマコも夏みかんもカリフラワーも殊更好きなわけじゃないので、ああそういや最近見ないなぁ、っていうだけで、それ以上でもそれ以下でもありません。だいたい海産物とか野菜とかってそんなに食わないんですよオレは。牛肉と豚肉があれば取り急ぎ大丈夫です。

そういう次第で、もう眠くなったので、もしかしたら就寝するかもしれません。おやすみなさい。