深川八幡祭り。

今年は「深川八幡祭り」が行われるとのこと。本祭りということで神輿56基勢揃いの連合渡御が執り行われます。

なんかずいぶん久々な気がしますが、実際久々の開催なんですよね思うに。

特に都市部における地域自治(組織)の有名無実化が盛んに言われる昨今、歴然たる「都市部」である江東区深川地区において、町内会ごとに神輿、それも結構なデカさの、さらになにしろ「水掛け神輿」ですから水を掛けても大丈夫なものを所持・管理されているというのは、これは結構稀なことなんじゃないかと思います。

コロナ禍だとかそういう事どもに頓着することなく盛大に行われるようで、なによりです。

約10年間ほど、このお祭りに文字通り「付きっきり」だった時期があります。あの頃はなにかって言えば神輿関係の取材ばかりしていた気がします。

本祭りは3年に一度ですが、その間の2年間は何にもないのかというと決してそんなことはなく、子ども神輿の連合渡御あり、お宮の神輿(二ノ宮)の渡御有り、やれ○○町で神輿を新調した・修繕した、△△町で神輿練習会がある、○日には幹部総代の会議がある、と、なにしろ一年中、っていうか年がら年中「お祭り」と関わりっぱなしの10年間でありました。

100万人からの人出が予想されるこのお祭りですが、刮目すべきポイントは、これが「単なる大イベント」というところに帰結してしまっていないところです。

いつだったかこの連合渡御の「10時間生放送」なる番組を作ったことがあります。その際に総代さんに耳にタコができるほど言われたのが、「単なるイベントとして採りあげるな」ということでした。

即ち、お祭りというものはあくまでも神事(の一環)であって、神輿はその名の通り神様の乗り物である。そのつもりで制作・放送しろ、と。

このことは思いの外ないがしろにされがちな事柄で、余所のお祭りなどには、この総代さんらの危惧してたような「単なるイベント」としてしか見られてないようなものも多い由です。

深川のお祭りはそういう視点で切り取るな、と、クドいようですが口を酸っぱくして言われました。いやホントに言われまくった。

実際「深川八幡祭り」には、神事としての崇高さがあります。これは参加したらわかります。

実際サケ飲んで神輿担いでる人もいなけりゃ、カラフルな肌の方々が神輿の上に乗ったり、ケンカしたり、なんていうことも「絶対に」ありません。

神輿の上に乗ってはっちゃけたり、ケンカなど大暴れしたいから祭りに参加する、というようなヤカラが多い中、このあたりが徹底できているというのはスゴいことだと思う。

深川八幡祭りは、そりゃもうトンでもなく賑やかな、盛大なお祭りです。

恐らくは猛暑の中での挙行となると思われますが、「水掛け祭り」という名のとおりこの神輿渡御はその道中で神輿に水を掛けまくります。なぜ掛けるのかには諸説ある由ですが、とにかくザブザブ、ドカドカ掛けます。

なので、8月半ばの開催ですからまぁ暑いことは暑いのですが、とりあえず合法的に往来で水浴びできるわけなので、暑気も自ずから払われます。

4トントラックに水を満載してバケツで掛けまくるは、消防団が放水車で散水するは、そりゃもう大騒ぎです。

おかげでオレは今でもカメラの防水化には大いなる自信を持っております。

本祭りの年は、前年の年末くらいから幹部総代の皆さんがピリピリしてて、オッカなくて弱ったものです。

以前初詣で取材の際に、神輿総代の方の娘さん息子さんにお会いしまして、その際に言われたことがあります。

“今年はあんましウチに寄りつかない方がいいよ”

と。

別にオレがなんかやらかして嫌われたとかいう話ではなく、要するに本祭りを控えてみんなピリピリしてるから、ヘタに会うと怒られるよ、ということです。

昨今はさすがにそこまでじゃない、と、こないだ和服を受け取りにいったときに呉服屋のオバちゃんがおっしゃってましたが、なにしろさぞかし皆さんお忙しいことでしょう。

無事な成功をお祈りしております。