かつて通った道だもの、と。

オレが子供のころの話ですから、さほど大昔のことじゃありません。少なくとも「歴史的」な出来事ってほどの過去ではありません。まぁ歴史的なモノサシで言うなら「ホンのつい最近」という範疇の事柄です。

当時のオトナたちのとって、歩きタバコ・路上ポイ捨ては当たり前でした。そして、当時のタバコは今のとは比較にならないくらいヘビーなものだったと思うのですが、そういうキツいのを子供がいようがメシ時だろうが構わず吸いまくりでした。後年大人になって、生まれて初めてタバコを吸ったとき、オレはまったく咽なかった。どころかいきなり、ああ、美味いなぁ!と感じました。副流煙によって知らず知らずのうちに「ヘビースモーカー」になってたんだろうと思う。

路上のそこかしこにイヌのウンコが転がってました。イヌのウンコなぞ珍しくもなんともなかったので、見つけても誰も騒がなかった。騒ぐほどのものじゃなかったので誰も片づけたりもしなかった。
それどころか・・・これはオレん家の近所だけのことかもしれませんが、団地のエレベーターの中などにはしばしば人間のウンコも転がってました。なんで人間のだってわかるかというと、チリ紙を一緒に転がってるからなのですが、そういうのも取り立てて騒ぐほどのことじゃ無かった。

某盛り場の商店街通りには、よくフンドシ一丁のオッサンが闊歩してました。通りすがりに近所の豆屋の店先に広げてある豆をやおらひとつかみして、そのまま去って行った光景、未だに目に焼き付いてます。

車の排気ガス規制は確か昭和53年から始まったと思うのですが、ってことはそれまで規制は存在しなかった、ってことはどの車も排ガス出しまくり・メーカーも遠慮なく排ガスが出る車を作りまくりだったはず。
さらに、工場もばい煙出しまくりでした。洗濯物を表に干すと黄ばんじゃったりしたものです。洗濯物が黄ばむくらいで済むはずもなく、重篤な公害病が全国各所で発生しいていた由。

家の中には常にハエがいました。年間を通して2、3匹は常駐していたように思います。これも前述のウンンコ同様、気にしても詮無いってことで放置されるのが常でした。

予防注射の針は、みんなで同じものが使われてました。針先をアルコールでチョイと拭くだけで、ハイ次の子、という感じだった。

TV観りゃ、ゴールデンタイムでも平気で女のハダカが出てきてました。ただ出てくるならまだしも、レイプシーンだったりしてね。
オレが初めて団鬼六原作の映画をみたのは、他ならずTVでしたよ

・・・こんなこと書き始めたらキリが無いのですが、なにが言いたいかというと、決してワレワレは余所の国のことを嗤える立場じゃありませんよ、と。
我が国もかつては充分ロクでもない環境であったはずです。だから、今そういう状況にある国に対して、まぁ言うべきことは言わにゃいかんですが、決して嗤うなかれ、です。

ここんとこ各隣国の状況に触れて、ただ嗤うだけ、ってリアクションを良く見るので、上記した次第です。

ではおやすみなさい。